紅茶の製造方法の一つである「CTC製法」は、製造工程の「Crush(押しつぶす) ・Tear(引き裂く)・Curl(丸める)」の頭文字をとったものです。
人の手によって行われる「オーソドックス(伝統的)製法」に対し、「CTC製法」は「アンオーソドックス(非伝統的)製法」と呼ばれる製法の一つで、揉捻機(CTC機)を使っているので茶葉の大量生産が可能。1930年代にW・マック・カーチャー氏によって考案されました。
CTC機には、高速と低速の2種類のローラーがついており、この間に茶葉を巻き込んでつぶし、小さく削られ、ねじられ、圧迫されて1㎜~2㎜ほどの小片になるため、茶葉の形はコロコロと丸みを帯びているのが特徴です。
濃厚な味わいを短時間で抽出でき、コストも安価であるため、ティーバッグやブレンド葉に使用されることが多く、どんどん増加しています。
世界の紅茶生産量の半分以上はCTC製法で作られ、中でもケニアやアッサムでは生産される紅茶の90%以上がCTC製法を採用しています。
「CTC製法」で紅茶ができるまでの流れ(工程)
1. 摘採(てきさい)
まずは、生葉(なまは)を一枚一枚、手で摘み取る「一芯二葉摘み」の作業が行われます。(大量生産の場合は三枚目を摘むこともあります)
2. 萎凋(いちょう)
オーソドックス製法と同様、茶葉を乾燥させます。生葉(なまは)の水分の30〜40%の水分を飛ばしてしおらせます。
3. ローターバン機にかける
挽肉を作る機械からヒントを得て作られた「ローターバン機」に茶葉を入れて圧縮し、やや細かくねじ切った後、そのままCTC機にかけます。
4. CTC機にかける
2本のローラーの動きにより茶葉を押しつぶして引きちぎり、粒状に丸めます。その後の発酵や乾燥まで連続したシステムがあるものもあります。
5. 発酵
茶葉に含まれる酸化酵素を調整し、発酵を促す「連続自動発酵機」がよく使われます。茶葉が細かい粒状なので短時間で発酵が完了します。
6. 乾燥
オーソドックス製法と同様、十分に発酵させたら酸化発酵を止めるため茶葉を乾燥機に入れ、100度近くの熱風をあてて水分が3〜4%になるまで乾燥させます。
※茎や軸も一緒に粒状になっているため、CTC製法に関してはオーソドックス製法で行う乾燥後の区分け作業は必要ありません。
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