世界三大紅茶の一つであるダージリンや、アッサムなど誰もが知る有名な紅茶を生産しているインド。
日本の約9倍の広大な国土をもち、産地や季節により多彩な紅茶を産出しているインドは世界の紅茶生産量の半分以上を占める世界一の紅茶生産量(約100万トン)・国内消費量を誇る世界最大級の紅茶産地です。
日本他、世界中に輸出されていますが近年は国内需用量が高まっているため、海外への輸出量は約20%に抑えられています。
インドの主な紅茶産地は大きく北東部と南部の2つの地域ですが、気候や標高に大きな違いがあるため同じインドでも産地によって味わいが全く異なり、多彩な紅茶が生産されています。
また、生産されている紅茶の9割がCTC製法で作られティーバッグ用原料茶として使用されていますが、伝統的なオーソドックス製法もダージリン地方など一部でしっかり受け継がれています。
インドの紅茶<歴史>
インドで紅茶栽培が始まったのは19世紀に入ってから。
1823年、イギリスの冒険家「ロバート・ブルース」がインド北東部のアッサム地方で初めてアッサム種を発見し、弟の「チャールズ・ブルース」が栽培を始めました。
その後インドを植民地としていたイギリスがインドでの紅茶栽培と開発を進め、1830年代後半にインドで最初となるアッサム紅茶が製造され、ロンドンのティーオークションに登場しています。
当時国内の紅茶需要量が増え中国以外の栽培地を模索していたイギリスは、その後1856年頃にインド北東部でダージリン、1861年頃にはインド南部ニルギリでの紅茶栽培を開始しました。
インドの紅茶<生産地>
北東部
インド北東部だけで国内生産量の75%前後を占め、中でもアッサム地方は世界最大の生産量を誇ります。
同じ北東部でもダージリンのような高地とアッサムのような低地とでは気候に差があるため、その違いが強い個性となって紅茶の味わいにも表れています。
南部
南部はスリランカと似た気候で、北東部とは異なる穏やかでクセのない香味が特徴です。