ラプサンスーチョン（正山小種）

ラプサンスーチョンは「正山小種（せいざんしょうしゅ）」とも呼ばれており、「正山＝武夷山」「小種＝小さめの茶葉」を意味します。

この紅茶は、茶葉を乾燥させる際に松の木を燃やすことによって発生する煙を使ってスモーキーな香りをつけた燻製茶（フレーバーティーの一種）です。

伝統的な中国紅茶としてキームン（キーマン / キーモン）と共にヨーロッパで珍重されており、イギリスではハレの日のお茶としても飲まれています。

ラプサンスーチョン（正山小種）の生産地（場所）

中国茶の名産地、中国福建省北部の崇安県、武夷山周辺で作られています。

ここはお茶の発祥の地であり、中国ではじめて紅茶が作られた土地でもあります。

ラプサンスーチョンが生まれたのは武夷山の桐木（とんむ）村という標高の高い場所で、気温が低いため発酵の進みが遅かったため、松の木を燃やして温度を上げた際に発生した煙の香りが思いがけず茶葉についたことが始まりとされています。

＜収穫時期：4～5月＞

着香茶のため、クオリティーシーズン（旬）は特になし。

ほどよいコクと渋みの少ないすっきりとした味わいの紅茶です。

そして一般に流通しているものは、紅茶とは思えないほど独特な正露丸のような強烈なスモーキーフレーバーが特徴的。

スモークサーモンやチェダーチーズなど味の濃いおつまみ系の食べ物によく合うのでアフタヌーンティーで飲まれることが多い紅茶ですが、中国の麺類やご飯類などにもよく合います。

ちなみに、ラプサンスーチョンやキームン（キーマン / キーモン）に共通するスモーキーな香りは、硬水で入れると香りや渋みが抑えられて飲みやすくなります。

水色（すいしょく）はやや褐色がかった濃いめのオレンジ色。

この独特な香りを味わうにはストレートが最適ですが、個性が強く好みが分かれる紅茶なので、手持ちの茶葉に少量のラプサンスーチョンを加えてアクセントとして味わう飲み方が一般的です。

牛乳とも相性が良いので濃いめに入れてミルクティーにしても美味しくいただけます。