キームン(キーマン)紅茶

キームン紅茶(祁門紅茶)は中国を代表する紅茶で、キーマン、キーモンとも呼ばれています。

世界三代紅茶の一つとして世界的にはとても有名ですが、国内ではほとんど消費されず輸出用に生産されています。

エキゾチック・オリエンタルで独特な香味を楽しめる紅茶としてヨーロッパのホテルなどで「China Tea」として親しまれており特にイギリスでは非常に人気が高い紅茶です。

イギリス王室御用達とも言われ、現在でもエリザベス女王の誕生日に最高級のキームン紅茶を飲む習慣があります。

生産時期が短く生産量もごくわずか。希少価値が高い紅茶の一つです。

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キームン紅茶の生産地(場所)

中国華東地域の内陸、安徽(あんき)省祁門(キーモン)県にある、標高1800m以上を誇る黄山山脈周辺の丘陵地帯に広がる茶園で生産されています。

この地は1000年以上前から続く歴史的な茶産地ですが、もともとは緑茶が生産されており紅茶が生産されはじめたのは1870年代からと言われています。

夏でも平均気温20度前後で気温の高低差が少なく、年間雨量が多い亜熱帯気候に属し多湿で霧が多く茶葉が太陽に当たりにくいといった気候は、茶葉のテアニン(アミノ酸)を多く作り出します。それによってオリエンタルな香りとキームン独特の味わいを生んでいます。

キームン紅茶の旬・収穫時期

<収穫時期:5~9月>

旬と言われるクオリティシーズンは8月頃です。(以前は春先でしたが現在は8月)

ちなみに、キームンは品質が中国独自の8つのグレード(特貢>貢茶>礼茶>特茗>特級>一級>二級>三級)に分けられていて、ランクの高い「特貢」や「貢茶」は非常に値段が高く、市場にあまり出回りません。

日本で流通しているものは特茗〜特級以下のものがほとんどです。

キームン紅茶の味の特徴

渋みが少なくスモーキーで濃厚な香りの中にまろやかな甘みとコクがある味わいのキームン。ヨーロッパでは「紅茶のブルゴーニュ酒」とも言われています。

キームン紅茶は低〜中品質(普及品)のものはスモーキーフレーバーが強い傾向がある一方、上質なものはスモーキーフレーバーが弱く、ランやバラのようなエキゾチックで濃厚な香り(祁門香)とりんごの蜜のようなとろける甘みをもちます。

異なった風味、おいしさを持つ両者ですがどちらも人気があります。

水色(すいしょく)は、普及品は黄色がかったオレンジ〜深みのある赤褐色で、上級品は明るい黄褐色。

キームン紅茶の製造方法

製造方法:オーソドックス製法
他の紅茶よりも多い約20にもおよぶ複雑な工程を経て出荷されるため「工夫(コングー)紅茶」とも言われます

葉の形状(グレード):OP(オレンジペコー)
キームンは茶葉の大きさに関係なく、風味の違いが中国独自の等級で表示されることがあります

キームン紅茶のおすすめの飲み方

花の優雅で繊細な香りをもつ上級品はストレートがおすすめ!

スモーキーフレーバーが強い普及品はブレンド用にも使われますが、ミルクティーにすると香りが和らぎ飲みやすくなります。

渋みが少なく、ほどよいコクがあるのでアイスティーでも美味しくいただけます。

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