紅茶のグレード区分(茶葉の形と大きさの種類)とは?

紅茶のパッケージに記載されている「OP(オレンジ・ペコー)」や「BOP(ブロークン・オレンジ・ペコー)」などは、オレンジ風味の紅茶という意味ではなく、茶葉の「グレード(等級区分)」の単位のことです。

「グレード=茶葉の形状と大きさを表す言葉」であり、紅茶の味や品質を表すものではありません。また、日本ではサイズが大きい茶葉の方が品質が良いとイメージされる方もいるようですが、日本茶と同じで品質は大きさ(グレード)の違いによって変わるものではなく、細かくても品質が良く高級な茶葉は存在します。

小さく細かい茶葉ほど大きな葉と比べて水色(すいしょく)やフレーバーが早く出やすい(抽出時間が短い)など茶葉のサイズによって抽出時間・味が変化するため、工場でグレード分けをして茶葉のサイズを揃えてから出荷されています。

この記事では、代表的な茶葉のグレードについて紹介します。

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主な茶葉のグレード(等級区分)

現在流通している紅茶は、茶葉(リーフ)の形が残っているリーフティーを製造するオーソドックス製法または茶葉の形を砕いて丸い形に成形するCTC製法のどちらかで作られており、それぞれ茶葉の大きさによってグレードがつけられています。

<オーソドックス製法で作られる茶葉(リーフティー) のグレード 4区分>

  • フルリーフ=切断されていないそのままの状態
  • ブロークン(B)=茶葉を砕いた状態
  • ファニングス(F)=粉砕した状態
  • ダスト(D)=ファニングスよりさらに細かく粉状になったもの

<CTC製法で作られるCTC茶のグレード 3区分>

リーフティーは葉の形が残っているのに対してCTCは葉が砕かれて形が残っていないため、両者それぞれのグレードの定義は異なります。

  • ブロークン(B)=茶葉を砕いた状態
  • ファニングス(F)=粉砕した状態
  • ダスト(D)=ファニングスよりさらに細かく粉状になったもの

※CTC製法は機械で茶葉の組織を破壊・切断し、丸く成形するものなので、リーフタイプはありません。

オーソドックス製法で作られる主な茶葉のグレード

グレードは以下のようにさらに細かく分類されますが、特に基準があるわけではないので国や産地によって多少の違いがあります。

<グレード名につけられるアルファベットの意味>

B=ブロークン(砕かれた)
T=ティッピー(芯芽の先端がよじれて綺麗にとがったもの)
G=ゴールデン(金色の産毛がついたもの)
F=フラワリー (花のような香り)※グレード名の頭につく
F=ファニングス(細かい粉茶)※グレード名のお尻につく

※太字はよく見かける代表的なグレード名称

フルリーフTGFOP(ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー)見事な芯芽の多い黄金色の花のような香りのオレンジ・ペコー。TGFOPの前に生産者側によってSFやF(S=スペシャル/F=ファイン)がつけられるものもある。
FOP(フラワリー・オレンジ・ペコー)花のような香りのオレンジペコー
OP(オレンジ・ペコー)やわらかく薄い若い葉と芯芽からなり、7〜11mmの針金状の茶葉でしばしば橙黄色の芯芽(生えたばかりの葉)を多く含む。水色は明るいオレンジで香味が強い。抽出時間が長くかかる。
P(ペコー)OPよりやや堅い葉で、短く太めによられている。OPに比べて香りも水色も薄い。芯芽はあまり含まない。
PS(ペコー・スーチョン)Pよりもさらに堅い葉からなり、よりも太く、短い。香りも水色もPより弱い。
S(スーチョン)PSよりも丸みがあり、大きくて葉は堅い。独特の香りが特徴のラプサンスーチョンに使用される。
ブロークン(B)BOP(ブロークン・オレンジ・ペコー)最も需要が多い2〜3mmの細かいサイズ。芯芽を最も多く含み、水色が濃く香味が強いとされ、上級品が多い。抽出時間はOPより短い。
BP(ブロークン・ペコー)BOPより大きいサイズ。芯芽を含まず形は太く扁平で、水色、香味は薄い。主に増量用に使われる。
BPS(ブロークン・ペコー・スーチョン)PSからふるいにかけられたBPよりやや大きめのサイズ。芯芽は含まれない。
ファニングス&ダスト(F&D)BOPF(ブロークン・オレンジ・ペコー・ファニングス)BOPをさらにふるいにかけたもの(1〜2mm)で、多くはブレンドや高級ティーバッグ用に使われる。水色が濃く、香りがスピーディーに出やすい。
F(ファニングス)BOPFの茶葉をさらにふるいにかけたもの。形は扁平で細かい。
D(ダスト)ふるいにかけたものの中で最も小さい粉状(0.5~1mm)の茶葉。多くはティーバッグ用に使われる。水色が濃厚で、味も強く出るのが特徴。

FOPやBOPなどは、さらにFOP1やBOP1などと分類されます。

CTC製法で作られる主な茶葉のグレード

短時間での抽出が可能で、主にティーバッグに使われるCTC製法で作られたCTC茶はまとめて「CTC」と一括りにされがちですが、以下のようにさらに細かく区分されます。

ブロークンBP(ブロークン・ペコー)やや大型のブロークンスタイル
BOP(ブロークン・オレンジ・ペコー)小型のブロークンスタイル
ファニングス&ダスト(F&D)PF(ペコー・ファニングス)小型のファニングス。大型はオレンジ・ファニングス
PD(ペコー・ダスト)等級の中で最もサイズが小さなタイプ

PFやBPなどは、さらにPF1やBP1などと分類されます。

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