インドを代表する紅茶の産地「ダージリン」。
味・香りの評価が高く世界三大紅茶の一つでもあるダージリンですが、その生産量は年間約1万トンで、インドの紅茶の全生産量のうちわずか1%という大変希少な紅茶でもあります。
生産量がわずかしかないはずのダージリンティーですが、実際には、隣接するネパールのイラム地方などダージリン近郊の安価な産地の茶葉を混ぜたものまでが全て”ダージリン”と名付けられ、実際の生産量以上の”ダージリン”が世界中に流通しているという現実もあります。
現在ダージリンの多くの茶園では、品質改良や収穫量の増加を目的としたクローナル種への変換や、オーガニック栽培などの取り組みが進められています。
ダージリン紅茶の生産地(場所)
インド北東部のヒマラヤ山麓(標高約500m〜2,300m)に位置する険しい山の斜面、西ベンガル州ダージリン地方にて生産されています。
日中と朝夕の寒暖差が大きく朝夕に発生する濃い霧と日中の直射日光の繰り返しが、ダージリン独特の高貴な香味を生みます。
冷涼な気候で、ネパールとブータンに接するインドで最も有名なリゾート地(避暑地)でもあります。
ダージリン紅茶の旬・収穫時期
<収穫時期:3~11月>
ダージリンの収穫時期の中でも、特に上質な茶葉が生産される”旬”の時期である「クオリティシーズン」は、3回あります。
・春摘み(3月~4月):ファーストフラッシュ
・夏摘み(5月~6月):セカンドフラッシュ
・秋摘み(10月~11月):オータムフラッシュ(オータムナル)
中でも最も品質が良いとされるクオリティーシーズンは、夏摘み(セカンドフラッシュ)です。
ちなみに、「雨季摘み(7月〜9月)のモンスーンフラッシュ(サードフラッシュ)」もありますが、他の時期に比べて香味が落ち特徴に欠けることもあって日本ではほとんど見ることができません。
ダージリン紅茶の味の特徴
フルーティーで独特な高貴な香りで「紅茶のシャンパン」とも呼ばれています。
深いコクと上品で引き締まった渋みが特徴。
収穫時期(春摘み・夏摘み・秋摘み)によってそれぞれ味が異なります。
収穫時期 | 風味の特徴 | 飲み方 | 水色(すいしょく) |
春摘み/一番茶(ファーストフラッシュ) | ・フレッシュで爽やかな香り ・紅茶独特の渋みより緑茶を思わせるまろやかさとほのかな苦味 ・癖が少なくさっぱりとしたシンプルな味 | ストレート | 薄い黄色〜オレンジ色 |
夏摘み/二番茶(セカンドフラッシュ) | ・ダージリン特有の熟した果実のようなフルーティーで芳醇な香り(マスカテルフレーバー) ・甘み、渋み、旨味、コクと風味や香りが増し、3種類の中で最も味の評価が高い | ストレート | 明るいオレンジ色 |
秋摘み/四番茶(オータムナル) | ・ファーストやセカンドより落ち着いた香味と穏やかで成熟した香り ・3種類の中で一番甘みが感じられ、まろやかで優しいコクのある味わい | ストレート/ ミルク | 赤茶色 |
ダージリン紅茶の製造方法
製造方法:オーソドックス製法
葉の形状(グレード):OP(オレンジペコー)
ダージリン紅茶の茶園(農園)
ダージリン地方には約90の茶園があります。
同じダージリンでも茶園によって風味が異なります。
<主な茶園>
※マーカー茶園は特に人気の茶園
- アッパーファグー茶園
- オカイティ茶園
- カレジバレー茶園
- グームティ茶園
- グレンバーン茶園
- ギダパール茶園
- キャッスルトン茶園
- ゴパルダラ茶園
- サングマ茶園
- シーヨック茶園
- シンブーリ茶園
- シンゲル茶園
- ジュンパナ茶園
- セリンボン茶園
- タルボ茶園
- チャーモン茶園
- トムソ茶園
- ハッピーバレー茶園
- バラスン茶園
- バーネスベック茶園
- プッタボン(ピュッタボン)茶園
- フグリ茶園
- プッシンビン茶園
- フーシリン茶園
- マカイバリ茶園
- マーガレッツホープ茶園
- モンティベット茶園
- リザヒル茶園
- リシーハット茶園
- リンギア茶園
- ロングビュー茶園
ダージリン紅茶おすすめの飲み方
ダージリンの芳醇で繊細な香りを楽しむには基本的に「ストレート」がベスト!
ミルクティで飲みたい場合は、味に最も重厚感とコクがある秋摘み(オータムナル)の茶葉を使うのがオススメです。
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